会長挨拶



第31回ハンセン病コ・メディカル学術集会開催にあたって

会長 国立療養所宮古南静園長 知念一

宮古南静園で初めてのコ・メディカル学術集会を開催するにあたり、ご挨拶申し上げます。今回のテーマは南静園職員から募集した多数の案の中から、「増やそう、支えよう笑顔で過ごす毎日を」が選ばれました。入所者の皆さんの毎日を支え、安心できる環境の中でその人らしく生きることが出来るように、私たちが日々取り組んでいるテーマです。

当園の入所者の平均年齢は87歳を超えてきました。入所者の皆さんはそれぞれに、命あるうちにこれだけはやっておきたいことがあり、私たちはそれをくみ取って実現できるような活動を目指しています。ひとつ叶えたらまたひとつ、これを繰り返すことで、入所者の笑顔に包まれた園にしたいと考えています。

入所者の皆さんは、ハンセン病のために心ならずも差別され、隔離され、第二次世界大戦の空襲や飢餓で100人以上が亡くなった苦難の過去を乗り越えて来られました。どこのハンセン病施設にも、独自の悲惨な過去があるのでしょう。だからこそ、彼らに安心・安全な日々を提供することは、私たち職員の責務です。

90歳にもなろうとする入所者の皆さんは、その年齢だけでも大切な宝です。その宝に更なる輝きを放って頂くのは私たちの喜びです。彼らには、過去の苦難を感じさせないはじける笑顔があります。支えられなくても自ら輝いておられますが、職員や地域の方々との触れ合いで、もっと充実した人生を送って頂きたいと願っております。

ハンセン病に対する差別は軽減してきたとはいえ、まだまだ不十分で、これからも啓蒙活動が必要であることは論を待ちません。彼らの尊厳と誇りを取り戻すまで、私たちは頑張ります。

今回は我が国最南端ハンセン病施設、ここ南静園で、お互い知恵とアイディアを持ち寄り、相互の交流を深めて充実した活動に繋げるべく、学会が成功裏に終わることを願っております。

南静園の裏の海は、かつて入所者の皆さんが生活の糧を得てきた大切な海です。泳ぐこともできますので、よろしければ入ってみてください。その後、南国観光をなさるのも一興かと思います。
交流会では、お互いの絆を深め、今後の活動に繋げて頂ければ幸甚です。